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君とセカンドラブ
第16章 生きる喜び
「真弓さん、僕、行かなきゃ」
遼太は父からの伝言をかいつまんで真弓に話した。
「そう…そういうことなら仕方ないわね…
出勤までのわずかな時間でも遼太とセックスしたかったけど、そういうことなら送っていくわ」
どうやら真弓もそんなに有給休暇を取得できるはずもなく、朝のギリギリの時間までセックスをして、そのまま出勤するつもりだったようだ。
そしてまた、あのド派手なカラーのスポーツカーで遼太を葵の元へと送ってくれた。
「葵さん、援軍を連れてきたわよ」
「まあ!真弓さん!
遼太を連れてきてくれたのね」
「一晩、息子さんをお借りして有意義な時間を過ごせたわ。
お返しするから、こき使ってもかまわないわよ
私は、悪いけどこのまま仕事に行かせてもらうけど、何かあったら連絡してきてね」
真弓は遼太にバイバイと手を振ると
轟音を響かせて、あっという間に行ってしまった。
「どう?おじさんやおばさんはあなたを快く迎えてくれた?」
どうやら葵は真弓の実家に一晩お世話になったと思っているようだ。
「ええ…まあ…それなりに…」
まさか真弓のアパートで一晩中セックス三昧していたとも言えずに、遼太は曖昧な返事をした。
「でも、あなたが来てくれて助かったわ
ほとんどのものは業者さんに処分してもらうつもりだけど、押し入れの物を引っ張り出して選別しなきゃいけないから大変なのよ」
「僕が来たからには安心してください
力仕事は全部僕が引き受けますから」
母親を亡くして憔悴しているかと思いきや、
意外と元気そうなので遼太は安心した。
それでも、訃報があってからあまり食べていないのか、押し入れに四つん這いになって荷物を引き出す葵の尻が心なしか小さく萎んでいる気がした。