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君とセカンドラブ
第16章 生きる喜び
葵のお母さんという人は
これといった趣味もなかったようで
押し入れから出てきた品々はガラクタのようなものばかりだった。
「これ、何かしら?」
ピンク色の包装紙に厳重に包まれている箱が出てきた。
「開けてみなよ
もしかしたら、とんでもないお宝かもしんないぜ」
包装紙を捲っていくと
中から現れたのは見事な桐の箱だった。
「こりゃ、いよいよお宝かもね」
葵は、なにか大切な物のような気がして
桐の箱を開けるのを躊躇したが
遼太は『お宝』を意識してウキウキしながら箱を開けた。
そして、ソレを目にした途端、
慌てて蓋を閉めた。
「何?何だったの?」
どうやら葵からは死角になって
中のものが良く見えなかったようだ。
「と、特に大切なモノじゃないみたい…
これはこのままゴミとして処分しちまいましょう」
「あなたがゴミだと思っても女の目から見てみれば大切なモノかもしれないわ
見せて、私が判断するから」
いや、見なくていいよと抵抗する遼太の手から
「いいから見せて」と強引に奪ってしまった。
そして、勢いよく桐の箱を開けると
「えっ?」と驚いたまま葵は固まってしまった。
その桐の箱から出てきたのは
真っ黒なグロテスクなバイブだったからだ。