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君とセカンドラブ
第3章 葵という女
それからは、ジョージと葵の距離が一気に縮まった。
上官に気に入られて
何かと目にかけていただいているジョージは
決まった休みももらえず、
予定されていた休養日にも不意に呼び出されたりと、デートの約束もままならなかったけれど、
それでもベースキャンプの片隅などで少しでも時間を作って短時間の会瀬を楽しみ愛を育んだ。
そんな風に親密になって行く二人に
周りの人間も気づかない訳はない。
いつしか葵とジョージは誰もが知る公認の恋相手になっていった。
そんなある日、
ジョージは直属の上司であるスコット少佐に呼び出された。
「失礼します」
少佐の部屋のドアを軽快にノックして
ジョージはハキハキとした口調で入室の許可を願い出た。
「ジョージか?入りたまえ」
「失礼しますサー」
部屋に入ると直立不動の見事な佇まいを見せ、
海兵隊キャップを脱ぐと指先まで神経を尖らせた敬礼で少佐の前に立った。
「いや、そんなにかしこまらなくていい
楽にしたまえ」
そう言われたところで馴れ馴れしく気を抜けるはずもなく、脚を少しだけ開いて手を腰の後ろで組んで姿勢を崩せずにいた。
「お前は本当に律儀な奴だな」
葉巻を咥えたのを見て
すかさず「失礼しますサー」と
ライターを取り出して上官の葉巻に火をつけてあげた。