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君とセカンドラブ
第18章 新しい家族の形
「なによあなた…ふざけているの?
冗談でしょ?、ね、冗談だと言ってよ」
葵はテーブルの上に置かれている誠一の手を握ろうと手を伸ばした。
だが、葵の手を避けるように
誠一の手がスッと引かれた。
「私のどこがいけないの?
離婚をしなければいけない理由を言ってよ!」
自分には非はないとでも言いたげに
葵の口調がキツくなった。
葵の隣で離婚話を聞く遼太も
もしかして自分と葵の密通がもしかして父に筒抜けだったのではないかと、何も言えずに怯えていた。
「僕は本当に愛さなければいけない女性に出会ってしまったんだよ」
そう告げる父の言葉に
遼太はハッとして星羅の顔を思い浮かべた。
星羅は父の誠一と出張先の秋田のソープランドで出会ったと言っていたが、
もしかして二人は古くから恋愛関係にあったのではないかと想像した。
「本当に愛する人って誰よ」
葵は意外と冷静になれている自分に驚いていた。
夫が「本当に愛する人」と言うように
自分だって本当に愛する人として
心の中に遼太の存在が大きくなっていた事に気づかされた。
「誠一さんが愛する人って…」
突然、明日香が夫婦の会話に口を挟んできた。
おまけに誠一のことを「父さん」ではなく、
誠一と呼んだことに葵はギョッとなった。
「この際だからハッキリ言うわね
誠一さんが愛している女って私よ!
私は誠一さんと結婚したいの!」
明日香の告白に、
葵も遼太も「何を言っているんだ」とポカンとした。
遼太は慌てて今日の日付を確認した。
今日が4月1日でエイプリルフールだから騙されているのかと思った。
4月どころか、今は8月なのだからエイプリルフールなどではないことなどすぐにわかりそうなものだが、それほどまでに遼太は驚いていた。