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君とセカンドラブ
第1章 新しい家族
ウェイターがどんどんと店の奥に遼太たちを案内して行く。
「こちらでございます」
案内された席は店の奥のこじんまりとした個室でした。
ドアを開けて脚を踏み入れると
その個室のテーブルに見知らぬ女性が二人ちょこんと座っていた。
一人は30代半ばといったところか。
もう一人は遼太と同い年ぐらいの女の子で
綺麗なブロンドのロングヘアーの愛くるしい外人女性だった。
「待たせたね」
父の誠一がテーブルの二人に声をかけると
女性たちは慌てて席から立ち上がって
遼太たちに向かってペコリと頭を下げた。
「全然待ってません。
私たちもつい先ほど着いたばかりですから」
そう言って三十路の女性は父親の誠一とアイコンタクトを取ると、涼やかな笑顔を遼太に投げ掛けた。
「ほら、あなたもちゃんと挨拶なさいな」三十路の女に催促されて渋々といった表情で遼太に聞き取れない言葉で何かを言った。
それは僕が初めて聞いた『nice to meet you』という英語だった。
「ほら!日本語が話せるんだから
ちゃんと日本語で挨拶なさい!」
三十路の女性に嗜めされて
やれやれと言ったふてくされた表情で
「はじめまして」と流暢な日本語で挨拶をした。
「ほら、お前も挨拶を返しなさい」
遼太も父の誠一に嗜めされて
訳もわからずに「はじめまして」と挨拶を交わした。