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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香

そういった秘密の行為を自慰行為、つまり『オナニー』と呼ぶことを知ったのは小学校6年の事だった。

トイレに入ってオシッコをしていると
手洗い場で女の子二人が話をしていた。

「ねえねえ、真弓はオナニーしたことある?」

「オナニー?なにそれ?」

「あ、知らないんだ~、あんた遅れてるよ」

「やだやだ!お願い教えてよ~」

「いい?誰にも言わないって約束する?」

「うん、するする」

「オナニーってね…自分のおま○こを触って気持ちよくなることよ」

「何それ!キショいんだけどぉ」

「キショくなんかないよ
スッゴク気持ちいいんだから!」

友達のいない明日香にとって、
そんな風なトイレの内緒話が唯一の情報源だった。

早熟すぎた明日香に、ようやくクラスメートたちが性に芽生えはじめて追い付こうとしていた。

それから六年生の女子だけが視聴覚室に集められて、とても簡単な性教育を受けた。

妊娠の仕組みや、子宮の事、妊娠するための行為…
初めて『セックス』という言葉の意味を知った。
だけど、容姿がアメリカ人の明日香は男子生徒に見向きもされず、セックスのパートナーなんて金輪際現れないだろうなと人生を悲観した。


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