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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香
そしてこの中学二年の春…
降ってわいたような母の葵が再婚すると言い出した。
相手の男性は明日香の目から見て
どう贔屓に見ても初老に一歩手前のオヤジではないか!
母は、この中年オヤジと寝たのだろうか?
抱き合ってセックスをしたんだろうか?
無理やり連れてこられたレストランに現れた二人の男性…
こんな魅力もない男を父と呼べと?
こんなファッションセンスもないダサい男を兄と呼べと?
『そんなの絶対にムリ!!』
テーブルの向かい側に座る男二人に
どうしてもキツイ眼差しを注いでしまう。
ふと、相手側の息子であるダサい男と目が合う。
向こうも自分を外国人だと決めつけるかのような
戸惑いの眼差しを注いでいた。
「なにジロジロ見てんのよ!」
不躾だと思われても仕方ないほどの大声を出して
思わず明日香は立ち上がった。
「えっ?俺?」
明日香が睨み付けていたのが
父の誠一ではなくて
自分に注がれているのだとわかって遼太は戸惑いの声を上げた。
「あんたもどうせ私をガイジンだと思っているんでしょ?
日本人じゃなくてイヤだと思っているんでしょ!」
そんなつまらないことでわめきたてなくてもいいと心では思っているのに、
なぜか心にもないことが口からスラスラと言葉になって溢れた。