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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香
「いや、僕はそんな風に思っていないよ」
ダサい男のクセに
優等生ぶるのがますます気に入らない。
「ママも、そこのオジサンも勝手に結婚でも何でもすればいいわ!
そして毎晩のようにベッドでセックスでもなんでもすればいいじゃない!」
「まあまあ、明日香ちゃん、ちょっと落ち着こうか」
どこの馬の骨ともわからないオヤジに父親ぶって諭されると身体中の血液がグツグツと煮えたぎって沸騰しそうだった。
葵は困ったような顔をしてオドオドしていた。
そりゃあ、多少なりとも二人の再婚に反対する意見を言われるのは覚悟していたけれど、
ここまで反対されるとは思っても見なかった。
「ごめんなさいね、本当は心の優しい娘なんです。
明日香、今夜はどうしちゃったの?
場をわきまえないとママ怒るわよ!」
夫のジョージがこの世を去って
ようやく出会った誠一とつまらないことで婚期を諦めたくなかった。
だから、ついつい、強い口調で明日香を叱りつけてしまった。
ね、お願いだから座って頂戴、
落ち着いて話し合いましょ
そういって立ったまま体をプルプル震わせる明日香の手を取って座らそうとした。
「触らないでよ!この色ボケ女!!」
そんなこと全然思っていないのに
どんどんと言葉だけが先走り自分自身に無性に腹立たしくなってくる。
「あんたらはどうぞご自由に!
私は一人で生きていくから!」
そう喚いて、明日香は母の葵の手を振り切って
小走りで店を飛び出して行く。
「明日香!」
慌てて葵も席を立とうとするのを
遼太は思い止まらせた。
「ここは僕が…」
そういって、誠一と葵を制して
遼太は明日香を追いかけた。