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君とセカンドラブ
第6章 思春期の明日香
「やっぱり再婚宣言は早急だったかなあ…」
誠一は明日香と遼太が飛び出していったレストランの個室のドアを見つめながらポツリと言った。
「でも、私の気持ちは変わらないわ…
私、あなたの妻になりたいの」
「わかっている、それは僕だって同じさ
君を妻として迎え入れたい…
でも僕たちは若い男と女じゃない
お互いに子供がいる身だから、あの子達の気持ちも考えてあげないと…」
どうだろう…いつかは再婚するとして
今しばらくはこのまま交際期間を設けようじゃないか。
そのように提案しかけたが、
その言葉を発する前に個室のドアが開いた。
ドアの外に遼太が立っていた。
「遼太…」
「遼太さん…」
誠一と葵は明日香の事が気になって遼太に「どうだった?」と尋ねようとした。
「ほら、こっちへ来なよ」
誠一と葵が明日香の事を尋ねる前に
遼太がドアの影になっている方向に向かって手招きした。
遼太に促されて現れたのは
いまだに膨れっ面しているけれども
先程までのヒステリックさが消えて落ち着いている明日香が顔を覗かせた。
「ほら、僕たちの意見をちゃんと言わないと」
遼太が明日香の手を取って室内に入ってくる。
「信じられない!」
その姿を見て葵は驚いた。
近頃はスキンシップをしようにも
体に触れただけで「Don't touch me!」と拒絶反応を示す娘が、出会ったばかりの遼太に心を開いて素直に手を繋いでいたからだ。