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君とセカンドラブ
第8章 継母を口説く
「中三になるとスケジュールがタイトだから
最近は中二のうちに済ませてしまうらしいのよ」
「へえ~…なんだかありがたみがないよね
そんで、明日香はどうして行きたくないんだい?」
「だって…友達なんていないもの
三泊四日も誰とも口をきかずに静かにしておくぐらいなら部屋でのんびりしておく方がいいわ」
「友達なんて三泊もしているうちに仲良くなって出来るさ
とりあえず行っておいた方がいいぞ」
「そうよ、お兄さんの遼太さんの言う通りよ
これがきっかけで仲良くなる子が出来るかもしれないわよ」
さんざん行かないとごねた明日香だったが、
二人がかりで責められては行かざるを得ない状況になった。
その夜、帰宅した誠一が、
「葵、荷物の用意をしてくれないか
明後日から一週間の出張に行かなければならなくなった」と言い出したものだから
焦ったのは遼太だった。
「えっ?じゃあ…明日香が帰ってくるまで
この家には僕と葵さんの二人っきりってこと?」
「あら?そんなにパパがいないと寂しいと思っちゃうわけ?」
高校二年生なのに、まだまだお子ちゃまね
葵に茶化されて少しだけ無気になって
「そんなことないさ、うるさい親父がいなくてせいせいするってもんさ」と強がりを言った。
強がりを言ってみたものの
同じ屋根の下に葵と二人っきりになるのかと思うと、うんざりするようなワクワクするような複雑な気分だった。