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君とセカンドラブ
第8章 継母を口説く
診察を終えて診察室から出るタイミングで
葵さんが慌てて病院に駆けつけてくれた。
「あの…こちらは?」
遼太に抱きついて「大丈夫なの?ねえ、大丈夫なの?」と取り乱す葵さんを見て、保健の先生が遼太との関係を尋ねた。
「えっと…一応、母です」
先生にそのように紹介すると
葵さんに向かって深々と頭を下げて
「お子さんに怪我をさせてしまって申し訳ありません」と平謝りしてくれた。
「先生、そんなに謝んなよ。
捻挫なんてしょっちゅうするもんだしさ」
遼太の言葉を聞いて、葵さんもようやく落ち着いてくれた。
何度も頭を下げる先生に見送られながら
遼太と葵はタクシーに乗り込んで帰宅した。
「ねえ、私が遼太さんの足がわりになってあげるから、何かしたい時は遠慮せずにおっしゃってね」
「いえ、本当に大したことはないんですから
テーピングしてあるから痛みもそんなにないし」
「ダメダメ!捻挫はね、しっかり治さないとクセになるんだからね」
そう言って葵さんは召し使いのように遼太に尽くしてくれた。
「体育をして汗をかいたままだから
お風呂に入りたいんだけど」
「それじゃ介助してあげるわ」と
遼太に肩を貸してくれながらバスルームまでついてきた。