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残り火
第6章 悪魔
「やめてよ。どうしてこんなことするの」

「うるさい。お前は黙って股だけ開いてればいいんだよ」

 俊郎は冷たく言い、
巾着袋からディルドと、
歯みがき粉のようなチューブを取り出した。
リューブゼリーと書かれているのが目に入った。
エアコンが効いているはずなのに寒かった。
灯りがついているのに暗かった。
俊郎が悪魔に見えた。

 リューブゼリーをディルドにたっぷりと塗りつけて、
悪魔が戻ってくる。
能面みたいな表情にぞっとして、
金縛りにあったように動けなかった。
私はもう抵抗する気力を失っていた。
ディルドがまんこに押し当てられ、
擦りつけられ、
ぐいっと力を入れられると、
私はあっさりとそれを受け入れていた。
まるで氷の棒を突っ込まれたようだった。
その悲しい冷たさに、
背骨まで凍りついていくようだった。
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