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残り火
第6章 悪魔
「しゃぶれ」

 命令口調で言われ、
俊郎のふにゃちんが顔に押し当てられる。

「いや、絶対にいやっ」

 鼻をつままれたり、
指でくちを無理矢理こじ開けようとしてきたけど、
私は徹底的に抗った。
こんなこと望んでいない。
俊郎がこんなことするなんて信じられない。

 私が頑なにくちを開けないので、
俊郎は焦れたように、くそっと吐き捨て、
私を突き放した。
無理矢理足を開かされ、
指を入れようとしてくる。
でも私はかさかさに乾いていた。
何者の侵入も許さなかった。

 俊郎が立ち上がり、私を見下ろす。
ぞっとするほど冷たい目。
慈愛の欠片もないような。
俊郎は鞄から小さな巾着袋を取り出した。
知っている。
あのなかには性具が入れられている。
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