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天空のBlack Dragon
第4章 私にできること
隣にやって来たのは部長だった。その視線は窓の外に向けられている。ドラゴンが見えている様子はない。しかし写真なら?
「部長。今、撮ってみたんです」
「んん?写真か」
「ええ。この窓からの眺めは素晴らしいですから」
部長がスマホの画面を見ている。写真と動画も見せてみる。そこに写っている"彼"を突きつける。しかし部長の表情に期待していた変化はなかった。
「よく撮れているね。空から走る稲妻が」
「ありがとうございます」
「じゃあ私は戻るよ。きみも写真なんて撮っていないでそろそろ仕事に戻った方がいい」
「…すみません」
無駄だったか。嫌味を言われただけだ。いや違う。会社組織における私の点数は確実に下がった。思いつきで馬鹿な行動をしてしまった。結局のところ、写真の"彼"も私だけの"彼"だった。
いったい俺にどうして欲しいんだ。俺に何をさせたい?何の理由があって俺の前に現れたのか?
話しかけても"彼"は答えない。その青い目は、ただただ私を見ている。私がここにいることを認めている目だ。でもそれだけしかわからない。
「部長。今、撮ってみたんです」
「んん?写真か」
「ええ。この窓からの眺めは素晴らしいですから」
部長がスマホの画面を見ている。写真と動画も見せてみる。そこに写っている"彼"を突きつける。しかし部長の表情に期待していた変化はなかった。
「よく撮れているね。空から走る稲妻が」
「ありがとうございます」
「じゃあ私は戻るよ。きみも写真なんて撮っていないでそろそろ仕事に戻った方がいい」
「…すみません」
無駄だったか。嫌味を言われただけだ。いや違う。会社組織における私の点数は確実に下がった。思いつきで馬鹿な行動をしてしまった。結局のところ、写真の"彼"も私だけの"彼"だった。
いったい俺にどうして欲しいんだ。俺に何をさせたい?何の理由があって俺の前に現れたのか?
話しかけても"彼"は答えない。その青い目は、ただただ私を見ている。私がここにいることを認めている目だ。でもそれだけしかわからない。