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天空のBlack Dragon
第4章 私にできること
いつも肌身離さず携帯している手帳を取り出す。空白のページをめくり、ペンで"彼"を描いてみる。我が子からせがまれて無意識で描いた"彼"は、今は立派な額に収まりリビングの壁に飾られている。パパのドラゴンは僕の宝物!と言った拓矢がどうしても壁に貼りたいとわがままを言い、妻は妻でどうせ飾るならきちんと額に入れましょうなどと言い、子供のお絵描き帳に私が描いた"彼"は我が家では丁重な扱いを受けている。
あれから何度か"彼"を描いてみた。しかし最初の作品を超えるクオリティにはならない。なぜなのかわからない。手帳に描いてみた"彼"もあまり良くない。休憩室へ先日の女性社員が入ってきたので、たった今、即興で描いた彼を「ほら」と見せてみる。
「えっ。ああすごい。ドラゴンですね」
「うん」
「上手いなあ。すごい迫力がある」
「そうかな」
自分ではそうは思えないが。
「課長ってファンタジーがお好きなんですか」
「いや。そうでもないかな」
「ふうん。へえ。そうなんだ。人って見かけに寄らないものなんですね」
「…」
はたして褒められているのかそうじゃないのか?まあ、いい。
あれから何度か"彼"を描いてみた。しかし最初の作品を超えるクオリティにはならない。なぜなのかわからない。手帳に描いてみた"彼"もあまり良くない。休憩室へ先日の女性社員が入ってきたので、たった今、即興で描いた彼を「ほら」と見せてみる。
「えっ。ああすごい。ドラゴンですね」
「うん」
「上手いなあ。すごい迫力がある」
「そうかな」
自分ではそうは思えないが。
「課長ってファンタジーがお好きなんですか」
「いや。そうでもないかな」
「ふうん。へえ。そうなんだ。人って見かけに寄らないものなんですね」
「…」
はたして褒められているのかそうじゃないのか?まあ、いい。