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天空のBlack Dragon
第1章 ある晴れた夏の日に
馬鹿げていると思った。しかしその馬鹿げたものを、今まさにこの目で見ているままに、なぜか当然の事実として自分が認めているのは確かだ。あれはあそこにあるのだ。あの黒いドラゴンは都会の街並みの上空に間違いなく存在しているのだ。
コーヒーを飲むのも忘れ、私は巨大なドラゴンを見ていた。見ればみるほどその全身のディテールがはっきりしてきて細かいところまで見えるようになった。後ろに長く伸びている、やはり縁が赤錆びたうろこに覆われた尾が揺れ、太くたくましい足の先には巨大な鋭い爪が生えている。見ていると長い首が揺れているのがわかる。その首の先の巨大な頭部には黒光りする牙がびっしり生えた口がある。黒いドラゴンの目は青かった。遠く離れた距離にあってもその澄んだ青い目がこちらを見ているのがわかる。でも不思議と恐ろしくはない。
私から見てドラゴンは私の視線のちょっと上に見えていた。ということは地上から百メートルほどの高みに浮かんでいることになる。
いつまで見ていても飽きなかった。いつまでも見ていたいと思った。しかし腕時計の針はすでにこの休憩室へ来てから四十分が経過していると告げていた。
コーヒーを飲むのも忘れ、私は巨大なドラゴンを見ていた。見ればみるほどその全身のディテールがはっきりしてきて細かいところまで見えるようになった。後ろに長く伸びている、やはり縁が赤錆びたうろこに覆われた尾が揺れ、太くたくましい足の先には巨大な鋭い爪が生えている。見ていると長い首が揺れているのがわかる。その首の先の巨大な頭部には黒光りする牙がびっしり生えた口がある。黒いドラゴンの目は青かった。遠く離れた距離にあってもその澄んだ青い目がこちらを見ているのがわかる。でも不思議と恐ろしくはない。
私から見てドラゴンは私の視線のちょっと上に見えていた。ということは地上から百メートルほどの高みに浮かんでいることになる。
いつまで見ていても飽きなかった。いつまでも見ていたいと思った。しかし腕時計の針はすでにこの休憩室へ来てから四十分が経過していると告げていた。