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天空のBlack Dragon
第1章 ある晴れた夏の日に
窓の外に馬鹿でかい竜が浮かんでいたとしても、いくらなんでもそろそろ仕事に戻るべきだ。やるべき仕事を放置したままで、いつまでもドラゴンを眺めているわけにはいかない。
仕方がない。戻るか。そう思った時、私の心を読んだかのように、休憩室の入り口から私の部下の女性社員が顔を出して私を呼んだ。
「休憩中のところすみません。篠崎課長宛にお電話が入っています」
「ああ。すぐに行く。誰からだ」
「STコーポレーションの原田さまからです。先日の件でとおっしゃっていて」
呼びに来た女の子へうなずいてみせ、ドラゴンに目を戻すと、その、ずらっと牙の生えた口がゆっくり開いていくところだった。そして…。
「ゴゥゥァァァアアアアアウウウオオオオオオンンンンン…」
ドラゴンが吠えた。その咆哮は分厚いはめ殺しのガラス越しでもはっきりと聞こえた。窓ガラスがびりびり振動する。しかし私の部下は訝しげな顔で私を見ているだけで、何の反応もなくそこにいた。
仕方がない。戻るか。そう思った時、私の心を読んだかのように、休憩室の入り口から私の部下の女性社員が顔を出して私を呼んだ。
「休憩中のところすみません。篠崎課長宛にお電話が入っています」
「ああ。すぐに行く。誰からだ」
「STコーポレーションの原田さまからです。先日の件でとおっしゃっていて」
呼びに来た女の子へうなずいてみせ、ドラゴンに目を戻すと、その、ずらっと牙の生えた口がゆっくり開いていくところだった。そして…。
「ゴゥゥァァァアアアアアウウウオオオオオオンンンンン…」
ドラゴンが吠えた。その咆哮は分厚いはめ殺しのガラス越しでもはっきりと聞こえた。窓ガラスがびりびり振動する。しかし私の部下は訝しげな顔で私を見ているだけで、何の反応もなくそこにいた。