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食虫植物
第3章 禁断の丼
 小洒落たレストランで食べるフランス料理。
 お値段も味も一流なのだろうが今俺の前にはその数倍も美味そうな御馳走があった。  
 響子の話通りなら女盛りに十年男っ気なしの経産婦。性的欲求不満は溜まりに溜まっている。
 にこやかに談笑しながらも立ち昇るかなり濃い性欲のオーラ。
 陽子とは夫婦という事にしているのでこれだけの美女が夜な夜な化物に抱かれ責められ痴態を晒している、若しくは逆に女王様の様に虐げている。そんな夫婦生活でも想像しているのかもしれない。
 どれ程想像の翼を広げてもその中に全裸の愛娘を登場させる事はないだろう。
 生憎このテーブルに座ってて俺のチンポの味を知らない可哀想な女はお前だけだ。
 仲間外れも不憫だからディナーの礼に夜泣きしてる身体を慰めてやるか。
 内心舌舐めずりしながら薄いフェロモンを噴出させる。
 「?」
 遼子の顔に浮かぶ戸惑いの色。
 誰かに触られたわけでも耳元で愛を囁かれたわけでもないのに突然何の前触れもなく股間が疼いたのだ。
 平静を装おうとしても手にしたナイフが細かく震え皿に当たりカチャカチャと音を立てる。
 普通なら何事?と誰何する立場の娘は自身もフェロモンの影響下に俺が何をしたいのか察したのだろう。中学生らしからぬ嫣然とした雌顔を晒している。
 「お母さん?気分が悪いの?」
 問われて遼子は何事も無かった風に笑みを浮かべようとしたが肩に乗せられた愛娘の手に性感を刺激され思わず「ヒィ」と小さな悲鳴を上げてしまう。
 「だ、大丈夫よ。」
 「無理をなさってわいけませんわ。私達ここに部屋をとってますの。そこで少しお休みになられて。響子ちゃんは私が見ていますから。あなた。お連れして。」
 立て板に水。拒絶の言葉を挟む間もなく美女に捲し立てられ部屋に行く事は決定事項になっていた。
 「奥さん、失礼しますよ。」
 「すみません。」
 呟く遼子に肩を貸しレストランを出る。
 エレベーターに向かう廊下でフェロモンの濃度を上げながら手や脇腹をさり気なく愛撫すると拒否どころか甘い吐息を漏らし体重を預けてくる。
 いい感じだ。
 さあ、デザートタイムだ。 

 
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