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ギャラクシー・ジャーニー 宇宙騎士キタリヴァン
第6章 第6話 銀色の爪の殺意
 あれから6年が経ち、42歳になった僕は今日もジャニィさんの隣で悪と戦っていた。


「ぐうっ……宇宙騎士の片割れごときに……」
「そうだ、僕は片割れだ。だからお前たちを容赦なく殺すことができる」

 ガードスーツの右手に装着された銀色の爪で、僕は星間犯罪シンジケートの戦闘員の喉元を引き裂いた。

 本来は戦闘用ではないガードスーツはナタリアさんの手により改造を繰り返され、今では軍事用コンバットスーツを凌ぐ攻撃能力を手にしていた。

「うちゅうきしさん……? わたしを、たすけてくれるの?」
「僕は宇宙騎士じゃないけど、傷つけられた子供を救うことぐらいはできる。この中に隠れておいて」

 人身売買組織が拠点としていた人工衛星の一室で犯罪者たちの慰み者として扱われていた7歳の女の子を銀色の|繭《まゆ》のような防護装置の中に押し込めると、ガードスーツを身にまとった僕は室外に走り出た。

 司令塔をカイゼルフォンの一撃で破壊して乗り込んだジャニィさんの猛攻から逃げ惑う戦闘員たちに真正面から襲いかかり、喉元を的確に銀色の爪で切り裂いていく。

 人身売買組織と通じて人工衛星を支配していた役人は既に捕らえられているから、奴に従っていた戦闘員たちは皆殺しにしても何の問題もない。

「何だあいつは!? 光線を受け付けないのか……」

 |方々《ほうぼう》から連射されるレーザー光線をガードスーツの装甲で反射して襲いかかる僕に驚愕の声を上げた戦闘員も、言葉を言い終える前に喉元を切り裂かれる。

 血まみれになった通路で銀色の爪を光らせる僕を見て、正義のヒーローだと思う人間は誰もいないだろう。
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