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そこのオタクくん座談会来ない? ~秘密のギャル本さん~
第1章 プロローグ 座談会来ない?
「そこのオタクくんさあ、どーせまたエーコたちに嫌がらせされてたんでしょ? あーしもあの子らあんまし好きじゃないんだよねー」
「嫌がらせも何もねえよ、俺は暇を持て余したクズどもに遊ばれてただけだ」
「まーたカッコつけちゃってえ。寂しいんでしょ? だってオタクくんって同じクラスの陰キャのことも一方的に見下してるもんねぇ」
「よく分かったな。ああそうだ、俺は高校生にもなって男だけでつるんで特撮とかポケモンの話で盛り上がってる連中は好きになれない。俺が思うオタクとあいつらが自認してるオタクは違う」
「へいへい、大阪星光学院のガリ勉くんは偉いですねー。それよりさあ、オタクくん暇なら座談会来ない?」
「座談会?」
菱本はギャルに似合わない単語を口にするとバッグからパンフレットを取り出し、そこには「グレートサクリファイス学会」という名前らしい新興宗教団体の説明が記されていた。
「このサークルはね、やがて世界に訪れる大いなる破滅から自分たちの身を守るための宗教団体なんだよ。皆で集まって世界の終わりに備える方法について語り合って、そこで会員同士で仲良くなるの。高校生は会費無料だからオタクくんも来ない?」
「宗教ってそうなのか?」
「そうだよ。あーしオタクくんとなら一緒に座談会で話したいなって思ってる。もちろんその後のイベントも」
「で? これに入信したら絶対に幸せになれるとでも言いたいのか?」
「絶対なれるっ! って言えるかはビミョーだけど、あーしは誘う相手をちゃんと選んでるから。このクラスではオタクくんが3人目かな」
「ふーん……」
菱本は危なそうな新興宗教の信者だったらしいが、今のつまらない人生を嫌々生きていくぐらいなら少しは刺激が欲しいと思った。
「嫌がらせも何もねえよ、俺は暇を持て余したクズどもに遊ばれてただけだ」
「まーたカッコつけちゃってえ。寂しいんでしょ? だってオタクくんって同じクラスの陰キャのことも一方的に見下してるもんねぇ」
「よく分かったな。ああそうだ、俺は高校生にもなって男だけでつるんで特撮とかポケモンの話で盛り上がってる連中は好きになれない。俺が思うオタクとあいつらが自認してるオタクは違う」
「へいへい、大阪星光学院のガリ勉くんは偉いですねー。それよりさあ、オタクくん暇なら座談会来ない?」
「座談会?」
菱本はギャルに似合わない単語を口にするとバッグからパンフレットを取り出し、そこには「グレートサクリファイス学会」という名前らしい新興宗教団体の説明が記されていた。
「このサークルはね、やがて世界に訪れる大いなる破滅から自分たちの身を守るための宗教団体なんだよ。皆で集まって世界の終わりに備える方法について語り合って、そこで会員同士で仲良くなるの。高校生は会費無料だからオタクくんも来ない?」
「宗教ってそうなのか?」
「そうだよ。あーしオタクくんとなら一緒に座談会で話したいなって思ってる。もちろんその後のイベントも」
「で? これに入信したら絶対に幸せになれるとでも言いたいのか?」
「絶対なれるっ! って言えるかはビミョーだけど、あーしは誘う相手をちゃんと選んでるから。このクラスではオタクくんが3人目かな」
「ふーん……」
菱本は危なそうな新興宗教の信者だったらしいが、今のつまらない人生を嫌々生きていくぐらいなら少しは刺激が欲しいと思った。