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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第3章 第3話 力士と交わる色欲の夜
三段目に昇進した鬱之郷は訪れた「グラビティ」でもキャストたちから祝福され、まだ横綱の|夜赤龍《よるせきりゅう》さんには遠く及ばないものの何人かのキャストからサインをねだられて喜んでいた。
私はそんな鬱之郷にいつも通り厳しく接客して、彼の懐事情に気を配りながらお酒や軽食を頼ませるとアフターということで一緒に店を出た。
今日は連勝のご褒美にラブホテルに行ってあげることにしていたけど、その前に一息つこうと私と鬱之郷は近くのカラオケボックスに入った。
「夕暮れ時のぉ、足立区に沈む|陽《ひ》はぁ……」
聞いたことがないマイナー演歌ばかり歌う鬱之郷だがお相撲さんだけあってか歌はかなり上手く、私はドリンクバーで注いできたウーロン茶で酔いを醒ましながら鬱之郷の重低音に聞き惚れていた。
「瑞貴ちゃんも歌いなよ、確か中学生の時も歌上手だったでしょ?」
「そうねえ、カラオケは貧乏でも学生ならある程度楽しめる貴重な娯楽だったから。でも今はあんたの歌を聞いていたいかも」
「僕瑞貴ちゃんとデュエットしたいなあ。『三年目の浮気』って知ってる?」
「よくおじさんのお客に頼まれるから当然。どうぞ、予約してちょうだい」
定番曲をデュエットしてあげると鬱之郷はとても喜んでくれて、私はこの弱気なお相撲さんにどこかしら惹かれている自分に気づいた。
私はそんな鬱之郷にいつも通り厳しく接客して、彼の懐事情に気を配りながらお酒や軽食を頼ませるとアフターということで一緒に店を出た。
今日は連勝のご褒美にラブホテルに行ってあげることにしていたけど、その前に一息つこうと私と鬱之郷は近くのカラオケボックスに入った。
「夕暮れ時のぉ、足立区に沈む|陽《ひ》はぁ……」
聞いたことがないマイナー演歌ばかり歌う鬱之郷だがお相撲さんだけあってか歌はかなり上手く、私はドリンクバーで注いできたウーロン茶で酔いを醒ましながら鬱之郷の重低音に聞き惚れていた。
「瑞貴ちゃんも歌いなよ、確か中学生の時も歌上手だったでしょ?」
「そうねえ、カラオケは貧乏でも学生ならある程度楽しめる貴重な娯楽だったから。でも今はあんたの歌を聞いていたいかも」
「僕瑞貴ちゃんとデュエットしたいなあ。『三年目の浮気』って知ってる?」
「よくおじさんのお客に頼まれるから当然。どうぞ、予約してちょうだい」
定番曲をデュエットしてあげると鬱之郷はとても喜んでくれて、私はこの弱気なお相撲さんにどこかしら惹かれている自分に気づいた。