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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第4章 第4話 男らしく潔くと
私と初めてセックスをしたあの日から鬱之郷は取組であまり勝てなくなって、気づいた時には再び序二段に転落していた。
「ミズキちゃんはやっぱりいい女だね……気が利くというか、よく気がつくというか、何とも言えない魅力があるよ」
「横綱さんにそんなこと言われて嬉しいです。シャンパン頂いてもよろしくて?」
「もちろんさ。君の隣で飲む酒は格別だからね」
女王様系キャバ嬢の「ミズキ様」はいつしか日本相撲協会の力士さんたちから評判になって、今日は|夜赤龍《よるせきりゅう》さんと並んで日本の角界を代表する横綱である|黒鵬《こくほう》さんが私を指名してくれていた。
ダンディな紳士である黒鵬さんを目の前にしても私の頭の中は鬱之郷のことで一杯で、私はいつの間にかそれとなく彼の現在について尋ねていた。
「ああ、鬱之郷君はミズキちゃんの幼馴染だったらしいね。彼は体格も筋力も申し分なかったが、やはり気が弱かったことだけが残念だ」
「もしかして今はちゃんこ番でもしてるのかしら? 私もあまり詳しくはないんですけど」
「いや、少し前まではそうだったが彼は岐阜に帰ろうと思っているらしい。君の耳には入っていると思っていたが……」
私が黒鵬さんの話を聞いて驚いていると、キャバクラ「グラビティ」の入り口から聞き覚えのあるあえぎ声が聞こえてきた。
「ミズキちゃんはやっぱりいい女だね……気が利くというか、よく気がつくというか、何とも言えない魅力があるよ」
「横綱さんにそんなこと言われて嬉しいです。シャンパン頂いてもよろしくて?」
「もちろんさ。君の隣で飲む酒は格別だからね」
女王様系キャバ嬢の「ミズキ様」はいつしか日本相撲協会の力士さんたちから評判になって、今日は|夜赤龍《よるせきりゅう》さんと並んで日本の角界を代表する横綱である|黒鵬《こくほう》さんが私を指名してくれていた。
ダンディな紳士である黒鵬さんを目の前にしても私の頭の中は鬱之郷のことで一杯で、私はいつの間にかそれとなく彼の現在について尋ねていた。
「ああ、鬱之郷君はミズキちゃんの幼馴染だったらしいね。彼は体格も筋力も申し分なかったが、やはり気が弱かったことだけが残念だ」
「もしかして今はちゃんこ番でもしてるのかしら? 私もあまり詳しくはないんですけど」
「いや、少し前まではそうだったが彼は岐阜に帰ろうと思っているらしい。君の耳には入っていると思っていたが……」
私が黒鵬さんの話を聞いて驚いていると、キャバクラ「グラビティ」の入り口から聞き覚えのあるあえぎ声が聞こえてきた。