この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第1章 第1話 限界キャバ嬢、ミズキ様
「まさかとは思うけど……|秋水《しゅうすい》小学校で一緒だった|宇津田《うつだ》|崇人《たかと》君……?」
「そうだよ、僕あの時の宇津田崇人だよ! 中2の時にお父さんが心筋梗塞で死んじゃって岐阜県にあるお母さんの実家に引っ越したんだけど、まさか東京に帰ってきて瑞貴ちゃんに再会できるなんて。僕すっごく嬉しいよ、だってあの時から瑞貴ちゃんのこと……」
鬱之郷が嬉しそうに話し始めたのに気づき、私は慌てて彼の大きな口を小さな右手で封じた。
「しーっ、静かにして! あのね、こういうお店ではキャストの個人情報をお客さんがぺらぺら喋っちゃいけないの。その、また個人的に話せるようにするから、今日は普通にお客さんとして接してくれない?」
「ご、ごめん瑞貴ちゃん。いやミズキ様。あの、飲み物ってどのお酒がいいですか……?」
恐縮してメニューブックを開いた鬱之郷に、私は適当なワインを注文させながらソファの上で距離を縮めた。
鬱之郷は胸元が開いたドレスを着ている私が近寄ってきてびくっ! とした感じで身をすくめたが、それからは普通に初来店のお客さんとして接してくれた。
この時私は思いがけなく幼馴染の宇津田崇人君に再会して、その日から私と宇津田君、いや三流力士の鬱之郷との奇妙な関係が始まることになる。
「そうだよ、僕あの時の宇津田崇人だよ! 中2の時にお父さんが心筋梗塞で死んじゃって岐阜県にあるお母さんの実家に引っ越したんだけど、まさか東京に帰ってきて瑞貴ちゃんに再会できるなんて。僕すっごく嬉しいよ、だってあの時から瑞貴ちゃんのこと……」
鬱之郷が嬉しそうに話し始めたのに気づき、私は慌てて彼の大きな口を小さな右手で封じた。
「しーっ、静かにして! あのね、こういうお店ではキャストの個人情報をお客さんがぺらぺら喋っちゃいけないの。その、また個人的に話せるようにするから、今日は普通にお客さんとして接してくれない?」
「ご、ごめん瑞貴ちゃん。いやミズキ様。あの、飲み物ってどのお酒がいいですか……?」
恐縮してメニューブックを開いた鬱之郷に、私は適当なワインを注文させながらソファの上で距離を縮めた。
鬱之郷は胸元が開いたドレスを着ている私が近寄ってきてびくっ! とした感じで身をすくめたが、それからは普通に初来店のお客さんとして接してくれた。
この時私は思いがけなく幼馴染の宇津田崇人君に再会して、その日から私と宇津田君、いや三流力士の鬱之郷との奇妙な関係が始まることになる。