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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第2章 第2話 再会同伴デート
 日本のキャバクラには同伴というシステムがあって、これはお客さんが店に所定の料金を払って出勤前のキャストとデートをするものだ。

 私はどのお客さんとも初来店の際にメッセージアプリの連絡先を交換することにしていて、普段はほとんど営業にしか使わないが力士の鬱之郷、その正体は幼馴染だった宇津田崇人君とは久々に再会した幼馴染として連絡先を交換した。

 鬱之郷は今度私と一対一で話したいと言ってくれたがあくまでキャバクラのキャストとお客さんという関係である以上は同伴やアフターという形でないとシステム上難しく、私がそのことを伝えると鬱之郷はすぐに同伴デートを申し込んでくれた。


「はぐはぐ、ごめんねさっきから食べてばっかりで。瑞貴ちゃんも気にせずお肉食べてくれて大丈夫だよ」
「あたしを同伴で1000円焼肉に連れてった男はあんたが初めてよ。まあこの|豚《とん》タンは割と美味しいからいいけど」

 鬱之郷は序二段の力士なので日本相撲協会から正式なお給料は貰っていないらしく、わずかな奨励金ではキャバクラに入店するのが精一杯ということで鬱之郷は私を駅前の1000円焼肉に案内していた。

 税込み1100円にプラス300円して付けてもらえる豚タンをレモン汁に付けて食べていると、山盛りの牛肉と豚肉と豚タンを食べ終えた鬱之郷はウーロン茶をごくごくと飲んで一息ついた。ちなみにこういう1000円焼肉ではメニューの名前が「牛肉」とか「豚肉」なのは噂で聞いていたけど実際に目にするのはこれが初めてだった。
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