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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第2章 第2話 再会同伴デート
「その、宇津田君。お父さんが亡くなって岐阜県に引っ越したっていう話は私も中学生の時に聞いた覚えがあるけど、それがどうしてお相撲さんになってるの……?」
「話せば長くなるんだけど、岐阜県ってとにかくご飯が美味しくてね。転校先の中学校にバスケ部がなかったせいもあって毎日美味しいお米とお肉を食べてたらぶくぶく太っちゃって、地元の相撲道場に誘われたんだ。地元の公立高校に進学してすぐに入門して、それからはめきめきと力をつけてついに大相撲デビューできたんだよ」
「めきめきとお肉もついたってことね……」

 私が覚えている宇津田君は170cm以上もある身長に細身の引き締まった体型で、それがいつの間にか身長181cmに体重167kgの巨漢になっていたという事実は信じられなかった。

「嘘だって思うかも知れないけど、僕はずっと瑞貴ちゃんのこと覚えてたんだよ。瑞貴ちゃんは僕の小学校からの幼馴染では一番かわいくて優しくて、バレンタインデーにはいつもチョコをくれてたよね。毎回チ○ルチョコだったけど僕はすっごく嬉しかったんだよ」
「あっ、あれはお金がかからない義理チョコをあげようとしてただけで……確かに宇津田君にだけ10個あげてたけど」

 小学校高学年の頃の私はお母さんの蒸発騒ぎがあったせいで公立小学校のクラスメイトたちと比べてもずっと貧乏で、それでもバレンタインデーには男の子たちに上から目線でチョコレートをあげていた。

 クラスでも人気の男子だった宇津田君に人前で10円のチョコレートを10個あげるのは本当に恥ずかしかったけど、宇津田君はいつもそれを大喜びで受け取ってくれていた。
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