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君に愛されて重かった 三流力士と限界キャバ嬢
第2章 第2話 再会同伴デート
「ところで、瑞貴ちゃんは今ホステスさんとして働いてるの? それともアルバイトしてるだけ?」
「あくまでアルバイトよ。ええ、あくまで就職が決まるまでのね。これでも多摩美術大学の情報デザイン学科卒業したのよ?」
「へえー、流石は瑞貴ちゃん! よく分からないけど今の瑞貴ちゃんはちゃんとしたお仕事に就く途中なんだね。僕も安心したよ」
「ちょっと何よその言い方? キャバクラのキャストはちゃんとしたお仕事じゃないとでも言いたい訳?」
「えっ? いやそんな、別に僕はホステスさんを馬鹿にしてる訳じゃ……」
「私が覚えてる宇津田君はそんな風にデリカシーのない男の子じゃなかったわ。体型がだらしなくなったら心までだらしなくなるのかしら?」
「はうっ!! 瑞貴ちゃん、その言葉すっごく心に刺さるよ……」

 テーブルの向かい側で鬱之郷は過呼吸になりそうになっていて、私はこの力士をちょっといじめてみたいと思った。

「大体、あんたもう23歳で序二段みたいだけどそれってどうなの? あたし大相撲のサイト見てみたけど20歳とか21歳で幕下やってるお相撲さんも普通にいたわよ? 確かあんたより2つも階級が上の」
「ふぐうっ!! 瑞貴ちゃん、もうそれ以上言わないで……」
「取組の映像も見たけどあんたいっつも自分より小さいお相撲さんに負けてるじゃない! そんなに弱気で今の大相撲でやっていけると思ってんの? あんたこそお相撲さんなんてやめてまともなお仕事に就いたらどう?」
「はあっ、はあっ、瑞貴ちゃん……」
「何よ、いい加減腹が立ったのかしら?」
「瑞貴ちゃんにそうやって言葉で責められると、何かすっごく気持ちよくて……」
「興奮すなっ!!」

 おしぼりを丸めて鬱之郷の鼻先に投げつけると鬱之郷はぐはあっと言って後ろの壁に頭をぶつけ、ともかくこの弱気は何とかしてあげたいと思った。
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