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東京佐川お兄さん事件 引きこもりお嬢様の誰にも言えない秘密
第5章 第5話 精神科外来
「ではお聞きしますが……その人とお付き合いしていて、何か欲望を抑えられなくなることはありませんか。危害を加えたりはしていませんね?」
「絶対にしないように気をつけています。その、セックスの時にどうしても身体を甘噛みしてしまうぐらいで……」
「そうですか、まあそれぐらいなら大丈夫でしょう。あなたも以前の未治療の時とは違うはずですから、どうか相手を傷つけたり、ご自身の人生を台無しにしたり、ご両親を悲しませるようなことはしないように」
「はい……」
志信さんは今のところ落ち着いた様子だがこれからあの症状が再発しないとも限らず、私はお世話になった先輩の娘の主治医としてどうか彼女に無事な生活を送らせてあげたいと思っていた。
しかし、精神科医が外来の患者に介入できるのは診察時のみであり、患者たちがどのような私生活を送っていても精神科医はそれに直接介入することはできない。
笑顔で診察室を去っていった志信さんを見送りながら、私は精神科医であると同時に個人として彼女の幸せを祈った。
「絶対にしないように気をつけています。その、セックスの時にどうしても身体を甘噛みしてしまうぐらいで……」
「そうですか、まあそれぐらいなら大丈夫でしょう。あなたも以前の未治療の時とは違うはずですから、どうか相手を傷つけたり、ご自身の人生を台無しにしたり、ご両親を悲しませるようなことはしないように」
「はい……」
志信さんは今のところ落ち着いた様子だがこれからあの症状が再発しないとも限らず、私はお世話になった先輩の娘の主治医としてどうか彼女に無事な生活を送らせてあげたいと思っていた。
しかし、精神科医が外来の患者に介入できるのは診察時のみであり、患者たちがどのような私生活を送っていても精神科医はそれに直接介入することはできない。
笑顔で診察室を去っていった志信さんを見送りながら、私は精神科医であると同時に個人として彼女の幸せを祈った。