この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
東京佐川お兄さん事件 引きこもりお嬢様の誰にも言えない秘密
第6章 第6話 ずっと一緒にいたかった
「私は今からお兄さんを殺してバラバラにします。それからお兄さんを料理して食べて、私は死ぬまでお兄さんと一緒にいます」
「な、ぁ……ぁ……」
「お兄さんは私を優しい女性だって言ってくれましたけど、これが私の正体なんです。いつも好きになった人を食べたくなってしまって、お兄さんのことは初めて会った瞬間から食べたいと思っていました。だから、死んでください……」
志信さんは狂気を孕んだ表情でそう言ったが俺の首を縄で絞める強さは次第に弱くなっていて、俺は辛うじて動く膝で彼女を蹴ればこの状況を抜け出せるのではないかと思った。
しかし、俺はこの状況に至っても彼女を傷つけたくないと思った。
「どうして抵抗しないんですか。こんな頭のおかしい女に殺されそうになって、お兄さんはどうしてそこまで優しいんですか」
「……しのぶ、さん……」
「あ、ああ……」
両目から涙を溢れさせ、かすかな声で自分の名を呼んだ俺に、志信さんは何も言えなくなって縄から両手を離した。
首を絞めつけていた縄がほどけ、俺はようやくまともに呼吸ができるようになった。
「な、ぁ……ぁ……」
「お兄さんは私を優しい女性だって言ってくれましたけど、これが私の正体なんです。いつも好きになった人を食べたくなってしまって、お兄さんのことは初めて会った瞬間から食べたいと思っていました。だから、死んでください……」
志信さんは狂気を孕んだ表情でそう言ったが俺の首を縄で絞める強さは次第に弱くなっていて、俺は辛うじて動く膝で彼女を蹴ればこの状況を抜け出せるのではないかと思った。
しかし、俺はこの状況に至っても彼女を傷つけたくないと思った。
「どうして抵抗しないんですか。こんな頭のおかしい女に殺されそうになって、お兄さんはどうしてそこまで優しいんですか」
「……しのぶ、さん……」
「あ、ああ……」
両目から涙を溢れさせ、かすかな声で自分の名を呼んだ俺に、志信さんは何も言えなくなって縄から両手を離した。
首を絞めつけていた縄がほどけ、俺はようやくまともに呼吸ができるようになった。