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がんばれ!赫鎧鈴乃ちゃん
第5章 夢夢の始まり
 年が変わり三賀日が過ぎた頃私は強烈な吐き気に襲われた。呑気な両親はおせち料理とお餅の食べ過ぎだと笑っていたが私には別の心当たりがあった。
 両親には散歩してくると言い電車で数駅先に在るドラッグストアで妊娠検査薬を手に入れる。
 そう、毎回あれだけ大量の中出しをしてもらってるのだ。今日まで予兆がなかったことの方が不思議だ。
 朝、尿を掛けた検査薬の窓にはくっきりと赤線が浮かび上がってる。
 妊娠。
 お腹の中に御主人様の赤ちゃんが居る。
 その歓びとは逆に不安も押し寄せてくる。
 私は未だ18歳。高校生なのだ。大学の推薦入学が決まったばかりの身で1人で産み育てるなんて無理な話だ。
 やはり全ては御主人様とお話してからだ。
 そうと決まれば善は急げ。
 ポケットに陽性反応を示した検査薬を入れると逸る心を鎮めつつ御主人様の家に自転車を走らせる。
 合鍵で中に入ると暖房を効かせた部屋に全裸で胡座を組みテレビを観ていた。
 番組名は「鈴乃のラブホ初体験」
 奴隷になってすぐの頃御主人様に連れられて郊外のラブホテルに行き遠慮ない連続攻撃に窓ガラスが割れる程の絶叫を上げながら大量の潮吹きを体験した時の記録DVDだ。
 いつも通り玄関で脱衣して入ってきた私を見て御主人様はポーズをかける。
 よりによってレンズに向かってオマンコ丸見えで潮を迸らせてる瞬間で止まってる画に溜息をつきながら御主人様の前に正座する。
 「どうした?ご奉仕は明日からのはずだろ?」
 「御主人様。ご報告とご相談があります。」
 普段と違う雰囲気を察しテレビを消して御主人様も床に座る。 
 「どうした?」
 「御主人様、私妊娠しました。御主人様の子供です。」
 一大決心での告白の返事は一言
 「そうか。」
 だけだった。
 え?それだけ?もしかして理解してない?
 「私妊娠したんです。御主人様の子供です!」
 「判ってる。お前が俺以外の男の子を孕むわけないだろう。で、どうしたい?」
 「??????」
 「お前が負担が多すぎるというなら墮胎という手段もある。」
 墮胎。考えうる未来の中で一番残酷ながら現状一番現実的な選択肢。
 「が、お前に産み育てる覚悟があるなら俺と高校卒業を期に結婚しよう。」
 結婚。考えうる未来の中で一番幸せながら一番現実味の薄い選択肢。 
 どうするのが正しい選択なんだろう。
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