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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ

「近藤ー!姫野が出るって!」
テンション高くそう叫ぶと、二宮くんは教室を風のように去って行った。
近藤くんにブーイングを浴びせていた女子達も続く。
近藤くんがこちらを見る。
僕もそそくさと立ちあがり、教室を後にした。
しかし…球技大会。バスケかー…。
僕、やったことないや。
なにせ小学校の時からずーっと体育見学だったんだから。
「姫野!」
廊下で近藤くんが僕を呼びとめた。
珍しい。彼が僕を呼びとめるなんて。
なんせ、僕は…。ヒメではなく、姫野葉月(ひめの はづき)としては、近藤くんにこれ以上ないほど嫌われている。
「Gのようなヤツ」とまで形容されたのだ。
君はGを僕ほど美しいと思ってるのか?変わった美的感覚だと疑問に思ったものだけど、彼は僕の素顔を知らないのだから、そう罵倒されても仕方はない。
僕は近藤くんの親友である二宮くんをハッテン場の件で脅し、淫乱な身体はいかに作られるのかという実験台にさせてもらったのだ。
(ついでに、僕の前と後の初体験も二宮くんに捧げてしまったのだ)
友人思いの近藤くんとしては、許せなかっただろう。
いや…もしかすると。近藤くんはノンケではなく、バイセクシャルだったのかもしれない。本人が気づいていないだけで、本当は近藤くんは二宮くんのことが好きだったのかもしれないね。
僕は近藤くんにぶん殴られたのだ。
それ以来、言葉を交わしてはいない。
「姫野…」
近藤くんは言葉に詰まったように僕を見つめた。呼びとめておいてなんだそれ。
「サンキューな。出てくれて」
思いっきり沈黙が続いた後、ぼそっとそう言って、近藤くんは反対方向に駆けていく。
その背中を見つめた。
「…そうだね、参加することに意義があるのかもしれないね」
これでまた、近藤くんに貸しが出来た。
不思議な可笑しさが込み上げて来て、僕は一人で「ククク…」と笑ってしまった。
そんな僕を見て「姫野ってキモいねー」なんて女子から陰口をたたかれたのも…地獄耳ゆえに聞こえてしまった。
僕の素顔を知れば、君達だってこの「ククク」で悩殺されるに違いないのに。
テンション高くそう叫ぶと、二宮くんは教室を風のように去って行った。
近藤くんにブーイングを浴びせていた女子達も続く。
近藤くんがこちらを見る。
僕もそそくさと立ちあがり、教室を後にした。
しかし…球技大会。バスケかー…。
僕、やったことないや。
なにせ小学校の時からずーっと体育見学だったんだから。
「姫野!」
廊下で近藤くんが僕を呼びとめた。
珍しい。彼が僕を呼びとめるなんて。
なんせ、僕は…。ヒメではなく、姫野葉月(ひめの はづき)としては、近藤くんにこれ以上ないほど嫌われている。
「Gのようなヤツ」とまで形容されたのだ。
君はGを僕ほど美しいと思ってるのか?変わった美的感覚だと疑問に思ったものだけど、彼は僕の素顔を知らないのだから、そう罵倒されても仕方はない。
僕は近藤くんの親友である二宮くんをハッテン場の件で脅し、淫乱な身体はいかに作られるのかという実験台にさせてもらったのだ。
(ついでに、僕の前と後の初体験も二宮くんに捧げてしまったのだ)
友人思いの近藤くんとしては、許せなかっただろう。
いや…もしかすると。近藤くんはノンケではなく、バイセクシャルだったのかもしれない。本人が気づいていないだけで、本当は近藤くんは二宮くんのことが好きだったのかもしれないね。
僕は近藤くんにぶん殴られたのだ。
それ以来、言葉を交わしてはいない。
「姫野…」
近藤くんは言葉に詰まったように僕を見つめた。呼びとめておいてなんだそれ。
「サンキューな。出てくれて」
思いっきり沈黙が続いた後、ぼそっとそう言って、近藤くんは反対方向に駆けていく。
その背中を見つめた。
「…そうだね、参加することに意義があるのかもしれないね」
これでまた、近藤くんに貸しが出来た。
不思議な可笑しさが込み上げて来て、僕は一人で「ククク…」と笑ってしまった。
そんな僕を見て「姫野ってキモいねー」なんて女子から陰口をたたかれたのも…地獄耳ゆえに聞こえてしまった。
僕の素顔を知れば、君達だってこの「ククク」で悩殺されるに違いないのに。

