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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ
ハッテン場にいるような、まっつんとか。恋人いないみたいだけど。作る気がないのか、それとも作れないのか。
僕みたいに割り切ってるのかな。
たまに虚しくなったりしないのかな。

もやもやを吹き飛ばすようにシュートを繰り返す。スリーポイントもかなりの確率で入る。
これも練習の成果ってやつだよね。

そうだ。誰もいないし。
ダンクやってみよーか。

僕…160㎝しか身長ないけど。でも、出来る気がする。

勢いをつけてドリブル。もう手にボールが馴染んできた。思いっきり踏み込む。限界までジャンプ…ッ!

ゴールは目の前。
バコーン…!
手が届いた。そしてボールがネットの中に……。

「うわ。出来た……」

本当に出来ちゃった。
うわー…僕って天才!?

すると、ぱちぱちと気の抜けた拍手の音が背後から聞こえた。

「すげー…」

振りかえると、近藤くんがラグビーボールを地面に置いて拍手をしている。

ドキン。この場に二宮くんはいない。
この姫野葉月として、近藤くんとサシで向かい合うのはちょっと緊張。
自分が悪いんだけどさ。二宮くんの身体もてあそんじゃったわけだし。
でも、自分のこと嫌ってる相手と相対するって、ちょっと怖くない?

「姫野、すげーな」
「あ…はぁ……」

そんなことないよって言えばいいんだろうけど、間抜けな返事しちゃったよ。


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