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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ
ゴールをすり抜けて、ころころと転がるボールを近藤くんが屈んで拾う。そして、ドリブルを始める。こう見ると、クラスで一番サマになってる。

近藤くんは、現在はラグビー部だが、中学時代はバスケ部だったらしい。
うちのクラス、バスケ部がいないから、一人だけ経験者。やっぱドリブル一つとっても、玄人と素人は違うね。

「さっきから見てた。お前、シュートもすげーわ」

そう言いながら構えてシュート。僕をすげーと言う割に、絶対自分の方が上手いと思ってるだろ。

「ねぇ、近藤くん。僕と勝負しない?one on oneで」

近藤くんはぎらりと目を輝かせた。

「遠慮しねーぞ」
「もちろん。手加減はなしだよ」

無謀な挑戦?
でもね、無謀って思った時からもう負けなの。
僕は勝つ。だって、体育デビュー戦と言ってもいいもの、球技大会は。

「言っとくけど、俺のプレー荒っぽいから。気をつけろよ」

近藤くんの身構えから、オーラが立ち上ってる。
さっきの二宮くんとのプレーは、お遊び半分な部分があったけど。日頃ラグビーで格闘してるだけはあるね。やっぱ現役勝負師は違う。

One on oneは二人の決闘。僕も遠慮なくいかせてもらうよ!


時に身体をぶつけあいながら、二人して交互にゴールを争う。
パワーでは負ける。でも瞬発力では互角。そしてフェイクは僕の方が上手い。

本当に近藤くんのプレーは荒い。もはや喧嘩だね。でも負けない。近藤くんのシュートからボールを奪う。

そしてドリブルからレイアップシュート。お見事な僕のプレイ。

いつの間にか辺りは真っ暗。時計を見たらなんと十時だよ。

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