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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ
「僕…男だけど」

しかも怪しいくらいもっさいけど。(今はね)
ヒメの時ならわかるけど、なぜもさいversionの僕を?


「男だけど…お前、ちっこいじゃん。なんかあったら嫌だし、送るよ」

なんかあったら嫌だって?
なんだかG並みだった僕の高感度が急上昇した感じだね。一気に友達クラスまで爆上げ?

ちょっと…なんかくすぐったくて。ほっこりした気分。

そして、これまで二宮くんしか知らなかった僕のアパートに到着。
昭和を感じさせる…ふるーい長屋だよ。

ま、素顔のヒメだったら、似合わないだろうけど。けどもっさいversionの僕だったら、いかにも暮らしてそうなアパートじゃないの。自虐的に言うと。

「お前…このアパートで一人暮らしってセキュリティ的に大丈夫なの?」

ぼろぼろーっとした木造二階建てにどん引くなよ…。
僕にぴったりじゃないの…。

「セキュリティもなにも、僕、貧乏だし。盗まれるものないし」
「あ、いや…でもさー…」
「女の子の一人暮らしじゃないから大丈夫だよ。じゃーおやすみ」

心配そうに見つめる近藤くんを置いて、てくてくとアパートの中に入る。
二宮くんにも同じこと言われたけど。でも、彼は僕の素顔を知ってるから。

玄関を抜けると、ぼこぼこの床の廊下がある。真ん中には昭和を感じさせる共同の黒電話。その前に鏡が置いてある。
鏡に映った僕は、誰かに襲われるような容貌はしていない。どちらかと言えば、避けて通られそうなキモい感じ。

でも。
心配されるのって悪くないね。

今まで、僕に関心がある人っていなかったから…。

自然とにやけてしまう顔がますますキモいかもね。「ククク」ってまた笑っちゃった。
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