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ハッテンlove
第2章 姫野のバスケ
☆★☆


僕と近藤くんが微妙なライバル宣言した次の週の月曜日、僕の十年ぶりの晴れ舞台がやってきた。
コバチで称賛を浴びていらい、久しぶりだよ。

とはいえ、僕のスーパープレーの数々を見ていたクラスメートは、もっさり暗めなくせにスター性がある僕に一目置いている。

「姫野がこんなにすげーとは思わなかった。バレー部来ない?」

バレー部の山根くんが熱心に僕を誘う。僕のジャンプ力と俊敏性を買ってのことだろう。
ふっふー。バレーも悪くない…って駄目だよ、僕は。
部活なんて入っちゃったら、ますます目立っちゃうし。

僕のこと「キモーい」って言ってた女子達も、掌を返したようにこっちを見て黄色い声で噂話。

「ねー、姫野って前髪切ったらイケメンだったりしてー」
「あり得るー。てかあの髪形ないよねーぎゃははッ!改造したーい」

女って鋭いね。
その通り。僕はものすっごい美形なんだよ。ついでにガイジンだよ。
でも改造されるわけにはいかないよ。このださいヅラは亡き母の形見みたいなもんだからね。


試合は常に僕達のクラスがリードした。
バスケ部が在籍しているクラスではちょっと苦戦したものの、僕がすばやくドリブルをし、敵陣に切り込む。

マークがきつくなったら近藤くんにパス。近藤くんが力技でダンクを決めてくれる。

二宮くんを巡ってのライバル同士?ではあったものの、僕と近藤くんの息はぴったりだ。

「すげー!近藤も姫野もすげー!」

二宮くんがそんな僕達の活躍を姫のように見守る。
てか、君…コートにいてもあんまり役に立たないね。仕事しろよ。
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