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ハッテンlove
第3章 heart+heart
「よォ、兄弟」

野太い声。振り返ると、筋骨隆々とした若い男が俺を見て笑ってる。
髪は金髪の短髪。肌の色は浅黒い。チンピラか?こんな男に兄弟って呼ばれる覚えは……ある。

こいつは、俺が目撃した姫野のハッテンの相手だった男だ。
兄弟って、そういうことか!

「随分若いな。ヒメの一番のお気に入りはお前だろ?」

ヒメ……。
よくいい歳した男が、あれを「ヒメ」なんて呼べるな。俺は呼べないから、いつも「お前」でごまかしてるよ。

あのバカ姫野がここまで増長したのは、こいつらが「ヒメ」「ヒメ」と持ち上げるからだ。
ふざけた話だ。

「最近ヒメが相手してくれねーから欲求不満だぜ。お前は毎週ヤってんだろ?」
「…」

先週、先々週は、「ヒメ」はモスクワでピロシキ売ってましたからね。ヤッてませんよ。

金髪は欲求不満と言いながらも、俺に対して敵愾心などは燃やしていないようだ。からかうような目をしてやがるけど。

「へぇ、いいもの持ってんじゃん。それでヒメをヒィヒィ言わせてんのか?」
「ッ!」

金髪の手が俺の股間を掴む。カッとした俺は、思わず拳をその金髪の顔面に向かって打ち、すんでのところで避けられた。

「おっと。暴力はナシだぜ」
「変なとこ触るからだ!」
「いいだろ?立派なもん持ってるんだから。お前、ノンケだろ?俺はバリタチだぜ。お前、バッグはバージンか?俺が掘ってやろうか?」

バリタチってどんな意味だ?
ネットでググってみよう。ノンケはわかる。ノーマルってことだな。
バージンは…言わずもがな。
こんなヤツにバックを掘られたら、多分俺は死ぬ…。

「お断りします」

冗談じゃねーっつーの。
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