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ハッテンlove
第1章 ノンケ喰いの夜
ピチャ…。

僕の種は垣根の向こうの、彼の顔に付着する。

僕が不敵に微笑むと、ハッとしたように彼は視線を反らせ、その場を慌ただしく去って行った。
僕に注がれたことで羨望の視線を浴びたまま、露天風呂を後にする。


逃すか。

僕はまっつんに軽くキスをしてから、彼の背を追った。


今日のターゲットは、彼だ。

僕の魔性に囚われたからには、隠微な世界から離さないんだから。


☆★☆


裏口を抜けて、先回り。
電柱の陰に潜んでいると、来た来た。

バタバタと慌ただしい足音で駆けてくる。
足音さえも若々しい。若いっていいねぇ…って僕はオヤジかッ!
ハッテン場にいたおじいちゃんファンの思考が移っちゃったよ、もう。

「…クソッ」

苦々しく吐き捨てるその台詞は、僕に欲情してしまったことに対する苛立ちだね?
わかるよ。君は同性とは思えぬ僕の美貌に勃起してしまった、その股間に戸惑っているんだね。

でも隠微な夜は始まったばかりだよ?
「あの時」の恩返しに、僕が君を大人の男にしてあげる。

「ねぇ…」

電柱から出て、声をかけてみる。
月明かりに照らされた僕の美貌、セックスの最中じゃなくても目を惹くでしょう?

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