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ハッテンlove
第3章 heart+heart
姫野の携帯に注目。それ、かなり前に発売された機種じゃね?
住んでるアパートから考えてみて、あんまり経済的に恵まれている感じじゃない。
両親も亡くなってるみたいだし…。

あのもっさい髪形じゃ、バイトも出来ないだろ。面接で落とされるよな。
かと言って、ヅラ外した派手な容姿もなぁ…。バイトさせるのも心配だぜ。

ラブホ代。割り勘にしてるけど、大丈夫かなぁ…。
かと言って、俺もバイトやってないし、毎回全額出すの厳しい。

その考えに及んだ時、ドスンと気持ちが沈んだ。
まっつんだったら…。大人だし、社会人だろう。ラブホ代なんてサクッと出せる。
その気になれば、姫野の生活の面倒だって見てやれるのかも…。

「な、なぁ…」
「ん?」

メールを打ち終わった姫野が、俺をまっすぐに見上げる。
やっぱ、すげー可愛い。
この顔には嘘はない。まっつんの言うとおりだ。

けど、ちくび実験とかするし、悠真のことむりやり犯すし、嘘つきだし…性格悪くて変態なのは折り紙つきじゃん。俺、マジでこいつに惚れてんの?
惜しいと思ってんの?

「…お前…まっつんのこと…どう、思ってんの?」

とぎれとぎれになった言葉。
聞くのが怖い。やっぱ、俺。こいつのこと…。

「まっつん?お気に入りだよ。アレが大きいし」

姫野の答えはがっくりくるものだった。
まるで、少し前の悠真のよう。軽いなぁ。気が抜けるわ。

どうせ俺のこともその程度だろ。まっつんに+出来るところと言えば、童貞という希少価値。ノーマルな童貞調教するのって楽しいよね?とか思ってんだろ。
こんなヤツ、好きか嫌いかなんて悩むのバカバカしい。

やっぱ勘違いだ。まっつんがあんなこと言うから俺までそんな気持ちになっただけで。
俺は沈んだテンションのまま、狂楽の湯を後にしたのだった。

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