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ハッテンlove
第5章 友達
「それだけカッコいい人だと、好きになったり…しない?」

好きになったり…か。
好き…だけど…。二宮くんのこと好きって思うのと少し種類が違う好き。
なんだろう?好きにも種類があるんだね。恋とか愛とか友情とか…?

「よくわかんない。でも恋人なんて望んでないし、僕は性格悪いから、深い付き合いは無理じゃない?」

近藤くんがヒメ=姫野葉月だって知ったら「ふざけんなこのG野郎!」って言ってまた殴られちゃうよ。そう思うと悲しいな。
自分が最低だって思い知った今だからこそ、余計に痛いよ。

「…姫野は性格悪…くないよ。ただ、バカなだけだよ…」

今、言葉に詰まったでしょ。いいよ、無理しなくて。

「僕、バカじゃないし」

そう言いながら、路地裏に入る。もう少しで、ワゴン車と遭遇した場所。そこに泰三さんに車で待機してもらってる。

前から背の高いオジサンが歩いてくる。危害なんて加えられるはずもないのに、心臓がバクバクする。肌がぞわーっとする感覚。思わず立ち止まって身体を抱きしめてしまった。

「姫野…?」

二宮くんが心配そうに僕を見つめた。

「ごめん、俺が車で行ってみたら?なんて軽い気持ちで言ったからだよな。無理しなくて…」
「平気。僕は強いし」

奮い立たせて十字路に出る。オジサンとすれ違う瞬間、身体が勝手にブルッと震えた。
泰三さんの車が見えた。ここで…。

「…ッ」

頭がズキンと痛んだ。

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