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籠の鳥
第7章 軋んだ心
ソファに座る匠さんに抱きつくみたいにクッタリとしていると、部屋を望さんが訪ねてきた。


匠さんは 私を抱えたまま、今までの経緯を話している。


なんか…
段々と申し訳なくなってきて…

泣いたって仕方ないって分かっていても 涙が溢れてくる。


「ふぇっ…ごめんなざいっ…グズッ(;_;)」

抱き締める匠さんの腕の力が強くなり、私の顔を抱き寄せると子供をあやす様に背中をトントン…と、叩いて宥めてくれるけど
優しくされれば されるほど 涙が溢れて止まらない。


「蓮、おいで…」

匠さんの隣に腰を下ろした望さんが、そっと私を引き寄せる。


涙で濡れた瞳に チュッと音がする口付けが落ちる…


「僕たちが望む事をするのが【玩具】の役目。
それが出来なきゃ 性奴隷になるしか無いよ?
僕たちは、性奴隷が欲しい訳じゃない。【玩具】にならない蓮はいらないんだ」


髪を撫でる優しい指先とは裏腹な冷たい言葉に息を呑んだ…

「望っ そんな言い方しなくてもっ」


匠さんが伸ばした手を払い 望さんは言葉を続ける

「忍兄にも言われただろ?
匠は 蓮を甘やかし過ぎる。
蓮は恋人じゃない【玩具】だ。
恋人にしたいなら、ちゃんと躾てから好きにすればいいだろ?」



あぁ…
そっか…


与えられる快楽も優しさも、私が珍しい玩具だから…


今更ながら 突き付けられた現実に吐き気がする…


ただ…
望まれた事をすればいい。




心なんてイラナイ…


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