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籠の鳥
第3章 喪失
もう訳がわからなくなって
ポロポロ泣き続ける私は、左手を匠さんに
右手を望さんに引かれて部屋に戻った。
部屋に 新さんの姿はなく、カウンターで忍さんが珈琲を飲んでいた。
「新兄は?」
「瑞紀が恋しくなったんだろ?部屋に戻った」
「いいよなぁ~ 新兄も、忍兄も、専用の玩具があるんだから…
ねぇ、忍兄。
蓮は、僕たちに頂戴?」
珈琲を飲みながら、片手に本を捲っていた忍さんの眉間にシワがよる。
「蓮は、妹だ。
個人で所有しないって、皆で決めただろ?
そんなに、欲しかったら買ってこい」
買うとか…
所有するとか…
そんな会話が平気で飛び交う…
そして…私は、
買われる側であり
所有される側…
反論する気力も、抗議する気力もない…
ただ…
一刻も早く 眠りたかった。
眠ってる間だけは、何も考えずに済むから…
ポロポロ泣き続ける私は、左手を匠さんに
右手を望さんに引かれて部屋に戻った。
部屋に 新さんの姿はなく、カウンターで忍さんが珈琲を飲んでいた。
「新兄は?」
「瑞紀が恋しくなったんだろ?部屋に戻った」
「いいよなぁ~ 新兄も、忍兄も、専用の玩具があるんだから…
ねぇ、忍兄。
蓮は、僕たちに頂戴?」
珈琲を飲みながら、片手に本を捲っていた忍さんの眉間にシワがよる。
「蓮は、妹だ。
個人で所有しないって、皆で決めただろ?
そんなに、欲しかったら買ってこい」
買うとか…
所有するとか…
そんな会話が平気で飛び交う…
そして…私は、
買われる側であり
所有される側…
反論する気力も、抗議する気力もない…
ただ…
一刻も早く 眠りたかった。
眠ってる間だけは、何も考えずに済むから…