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人妻愛人契約
第7章 移りゆく季節の中で~春、パンドラの箱
そんな二人のやりとりを見ながら、祐樹も久しぶりに見る希実のコスプレに感動していた。やっぱり、希実にはこの姿が一番似合ってる。画面の中でリナがライトニングソードを振る姿に涙が零れそうになった。

「あれ? これ、徳本社長じゃないですか?」

星奈が画面を覗き込んだ。

え、三河屋さんだって!?

祐樹も身体を乗り出して画面を覗いた。

「ここです」

星奈が指で示す。大柄ででっぷりした体型。間違いない。善一だ。

――確か希実さんもよく東京へ行かれるんですよね。

新年会のときに聞いた沙耶の言葉が頭の中に蘇る。

「ああ、それね」希実は渋い顔をした。「ちょうど東京に来る用事があったんだって。時間ができたから見学に来たって言ってた」

「見学ですか?」

「うん。温泉饅頭をお土産に持ってきて、カメラマンや広告代理店の人たちに配ってたわ。コスプレフェスに合わせて包装を変えたんで、こちらの宣伝もよろしくって」

「それ、見学じゃなくて営業じゃないですか」

「まあね。仕事熱心な人だから」

希実は苦笑しながら祐樹を見た。

そのちょっと苦し気な笑顔は、それ以上聞かないで、と言っているように祐樹には見えた。
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