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人妻愛人契約
第7章 移りゆく季節の中で~春、パンドラの箱
この日、祐樹は顧客管理システムの不具合を修正するために一人サンガへ向かった。
良泉館では問題なかったのだが、三河屋グループで運用を開始すると、時々システムが止まってしまうという現象が起きていた。なかなか原因が掴めなかったのだが、3日前にようやく善一がプライベートで使っているパソコンに問題があることがわかった。そのパソコンのアプリケーションが顧客管理システムのセキュリティソフトに干渉していたのだ。パソコン側での対策が必要だった。
そのことを善一に話すと、善一はパソコンを祐樹にいじられるのを渋った。しかし、祐樹がシステムの構造上それしか方法がないことを丁寧に説明すると、しぶしぶだが応じてくれた。
「やむを得ません。了承しましょう。ただし、パソコンの中のデータはプライベートなものなので絶対に触れないでくださいね」
祐樹は、善一にそう念を押された。
サンガでは沙耶が出迎えてくれた。
「祐樹さん、こんにちは」
午前中だからか洋服を着ている。白いブラウスに、膝上くらいの紺のフレアスカート。清楚な雰囲気の沙耶によく似合っていた。
「三河屋さんのパソコンを見にきたのですが」
「聞いてます。どうぞこちらへ」
先に立って案内してくれる。
「旦那さまは、今日は出張で留守をしています。祐樹さんには、くれぐれもよろしくと伝えて欲しいと言われました」
「お留守ですか。それはかまいませんが、そうすると、ログインIDやパスワードがわからないな」
「机にメモを残してあると言ってましたけど……」
「だったら大丈夫だと思います」
少しほっとした。善一と顔を合わせないで済むのはありがたい。
「沙耶さんは、沖縄に行かなかったんですね」
「行きたかったんですけど、やることがあるものですから。希実さんは、もう出かけられたんですか」
「ええ。愛未と一緒に出て行きました。まだ海に入るには早いと言いながら、水着も持っていきましたよ」
「そうですか。いいですね」
表情を変えることもなく、沙耶は言った。アンニュイでミステリアスな声が祐樹の心をくすぐった。
良泉館では問題なかったのだが、三河屋グループで運用を開始すると、時々システムが止まってしまうという現象が起きていた。なかなか原因が掴めなかったのだが、3日前にようやく善一がプライベートで使っているパソコンに問題があることがわかった。そのパソコンのアプリケーションが顧客管理システムのセキュリティソフトに干渉していたのだ。パソコン側での対策が必要だった。
そのことを善一に話すと、善一はパソコンを祐樹にいじられるのを渋った。しかし、祐樹がシステムの構造上それしか方法がないことを丁寧に説明すると、しぶしぶだが応じてくれた。
「やむを得ません。了承しましょう。ただし、パソコンの中のデータはプライベートなものなので絶対に触れないでくださいね」
祐樹は、善一にそう念を押された。
サンガでは沙耶が出迎えてくれた。
「祐樹さん、こんにちは」
午前中だからか洋服を着ている。白いブラウスに、膝上くらいの紺のフレアスカート。清楚な雰囲気の沙耶によく似合っていた。
「三河屋さんのパソコンを見にきたのですが」
「聞いてます。どうぞこちらへ」
先に立って案内してくれる。
「旦那さまは、今日は出張で留守をしています。祐樹さんには、くれぐれもよろしくと伝えて欲しいと言われました」
「お留守ですか。それはかまいませんが、そうすると、ログインIDやパスワードがわからないな」
「机にメモを残してあると言ってましたけど……」
「だったら大丈夫だと思います」
少しほっとした。善一と顔を合わせないで済むのはありがたい。
「沙耶さんは、沖縄に行かなかったんですね」
「行きたかったんですけど、やることがあるものですから。希実さんは、もう出かけられたんですか」
「ええ。愛未と一緒に出て行きました。まだ海に入るには早いと言いながら、水着も持っていきましたよ」
「そうですか。いいですね」
表情を変えることもなく、沙耶は言った。アンニュイでミステリアスな声が祐樹の心をくすぐった。