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第8章 あの夜の出来事

本格的な愛撫が始まった。善一は、希実に覆いかぶさると、希実の柔肌を指先で掃くようにまさぐり、全身に舌を這わせた。

触れるか、触れるないか、微妙な強さで摩り、手の指はもちろん、足の指まで一本一本丁寧に舐めていく。いかにも女好きの善一らしい、いやらしい愛撫だった。

希実は、目を閉じて横たわっていた。わずかに額に皺をよせるだけで、静かに身を任せている姿には、わたしは何をされても動じないし、感じないという意志が現れていた。

しかし、刺激を受ければ肉体が反応するのは生理だから防ぎようがない。徐々に吐息が熱くなっていく。乳首もピンと尖っていった。

「気持ちいいですか？」

善一が乳首をコリコリと指で転がしながら尋ねた。

「気持ちよくなんかありません」

顔を上気させながら、それでも希実は気丈に答え、明るい茶色の瞳で善一を睨んだ。

「本当ですか。確かめてみましょうか」

善一の巨体が希実の下半身へと動いた。希実の長い足を膝を立てるように折り曲げ、Ｍ字型に開いた。

「いや……」

希実は手で股間を隠そうとしたが、善一は払いのけ、どれどれ、とのぞき込んだ。

扉を開くようにＭ字の中心にある秘裂を両手を使って左右に開いていく。慎ましく折り畳まれていたビラビラを拡げると、トローリと甘い蜜が零れてきた。

「あれ、気持ちよくないなんて言って、しっかり濡れてるじゃないですか」

善一は中指で蜜をすくい上げ、希実の鼻先に突き付けた。親指と擦り合わせて開くと、二本の指の間にネチャーッと透明な糸ができた。

「くっ……」

希実は頬を赤く染め、悔しそうに顔を横に背けた。

フフフ。善一は口元を卑猥に歪めた。