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人妻愛人契約
第1章 10億の借金
その夜、愛未が寝たのを確かめると、希実は、話があるんだけど、と言って、祐樹の正面に膝を正して座った。思いつめたように険しい顔をしている。

「これからのこと? だったら、明日――」

祐樹が話そうとするのを聞こうともせず、希実は両手を揃えて畳みにつき、額がつきそうなほど深く頭を下げた。

「離縁してください」

「え!?」

「三河屋さんの話、受けようと思います。ですから、もう祐樹と一緒にいるわけにはいきません。お願いします。離縁してください」

「ちょ、ちょっと待って。いくらなんでも、そんなこと急に言われても……」祐樹は、慌ててとりなそうとしたが、希実の肩が小刻みに震えているのに気づくと、いったん話すのをやめた。そして、深呼吸を1回してから、優しく語りかけた。

「希実さん、まず顔をあげてよ。そのままじゃ、話ができないから」

しかし、希実は、顔を上げなかった。逆に頭をさらに深く下げた。

「お願いします」

「やれやれ、しかたがないな」

祐樹は立ち上がると、希実の後ろに回り、肩を持って無理やり引き起こした。

「嫌っ、離してっ」

希実は腕を振って、祐樹を振り払おうとしたが、優男と言っても、やはり祐樹は男だった。力で希実に負けるわけがない。難なく希実の身体を起こすことに成功すると、正面を向かせ、抱きしめた。

「希実さん、ちゃんと話をしようよ」

「何を話すのよ! 何かいい考えがあるとでも言うの! ないんでしょう! だったら、他に方法はないじゃない! お願いだから手を離して! わたしを離縁するって言って!」

希実は泣きじゃくりながら祐樹の胸を叩いた。祐樹は、そのまましばらく希実の好きに任せた。次第に希実の力は弱くなっていった。

「離してよ……」

やがて希実は叩くのをやめた。ただ祐樹の胸に顔を押し付け、泣くだけだった。
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