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人妻愛人契約
第13章 奪還
夜の10時をまわって、ようやく希実は母屋に帰ってきた。愛未はもう寝ている。

「疲れてるところ悪いけど、話があるんだ」

祐樹は声をかけた。

「明日にしてくれないかなあ」

希実は首をグルグル回しながら言った。沖縄から帰ってきたばかりですぐ仕事だ。かなり疲れているのだろう。それでも祐樹が真剣な顔で、大切な話なんだ、と言うと、わかった、と頷いて、祐樹の正面に座った。

「これを見て欲しい」

祐樹は、希実の前にノートパソコンを置くと、動画を再生した。12月の動画。これが一番わかり易いと祐樹が思った動画。善一の東京のマンションのリビングでキスをする希実と善一が映った。

「なに、これ……!?」

希実のアーモンド型の目が大きく開いた。顔からサーッと血の気が引いていく。

「三河屋さんのところで見つけた」

祐樹は動画のシークバーを動かした。

画面が変わり、キングサイズのベッドの上で裸で抱き合う希実と善一が映った。希実が上になり、善一の肉棒を握って、自分の身体の中に入れようとしている。

巨大な肉棒はゴムを被ってない。生だ。

画面を見ている希実の顔が醜く歪んだ。呼吸が荒くなっていく。

「止めて!」

希実が大きな声で叫んだ。

祐樹は動画を止めて、ノートパソコンを閉じた。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

希実は蒼い顔で目を大きく開いたままパソコンを見つめていた。膝の上に置いた手をギュッと握りしめている。額には薄っすらと汗が浮かんでいた。

「やっぱり希実さんは知らなかったんだ。三河屋さんが盗撮してたんだよ。他にもたくさんある」

「うそ……」

「うそじゃない。確かめてみる?」

希実は顔をぶるぶるっと横に振ると、祐樹の視線を避けるように俯いた。肩が小刻みに震えている。

「約束の日以外にも三河屋さんと会ってたんだね」

「…………」

「沖縄でも一緒だったんだってね。さっき愛未が言ってた」

「愛未が……」

希実の身体が固まった。

「そうだよ。三河屋さんがママと一緒のベッドに寝てたって」

「……………」

希実は、そのまま黙り込んだ。祐樹も黙ったまま、俯いたままの希実を見つめていた。
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