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人妻愛人契約
第13章 奪還
10分くらい経っただろうか。ようやく希実の泣き声が治まってきた。

「希実さん、これからのことを相談したいんだけどいい?」

「これからのこと?」

希実はしゃくりあげながら答えた。

「そうだよ、これからの僕たちのこと」

「どうするつもりなの?」

「僕の考えを話す前に、希実さんの気持ちを確認しておきたいから、正直に答えて欲しい。いいね」

希実は頷いた。

「僕のこと、今でも好き?」

「好きよ。大好き。愛してる」

「ほんとだね?」

「うん」

希実は頷いた。

「よかった。じゃあ、三河屋さんのことは? 好き?」

「…………」

希実は黙った。

「大事なことだから、本当の気持ちを話して欲しいんだ」

「……わからない」

「わからない?」

希実は頷いた。

「最初は嫌いだった。でも何度も会ううちに嫌いじゃなくなって……。ときどきたまらなく会いたくなるの。切なくなって、抱きしめてもらいたくなるの」

「もっと話して」

祐樹は希実をまっすぐ見つめた。

希実は大きく息を吸うと、ふうー、とため息をついた。

「恥ずかしいけど、正直に言います。身体がうずいてしょうがなくなるのよ。彼に満たして欲しいてっね。彼のことを考えただけで身体が熱くなってアソコが濡れてくるの」希実は手で顔を覆い、再び泣き出した。「わたし、どうしてこんなふうになっちゃったんだろう」

「ありがとう。よく話してくれたね」

祐樹は立ち上がると、希実の隣に座り、肩を抱きしめた。

「希実さんのせいだけじゃない。僕も悪いんだ。夫の僕が希実さんを満足させてあげられなかったから」

祐樹も泣いていた。目から涙が零れた。
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