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人妻愛人契約
第13章 奪還
翌日から祐樹は忙しくなった。新しい会社をつくるのだ。やらなけらばいけないことは、たくさんある。朝早くから事務所に籠もりっきりになった。
希実が宿泊客のチェックアウトをすべて終えて様子を見に行くと、祐樹は星奈と並んでパソコンの前に座り、パチパチとキーボードを叩いていた。
「何を作ってるの?」
希実は、祐樹の背中越しに画面を見ながら尋ねた。
「事業計画書だよ」キーボードを叩きながら祐樹は答えた。「今のシステムをペースにつくる新しいシステムの基本仕様と開発計画のたたき台を僕が作り、営業計画のたたき台を羽鳥さんの方で作って、今週の金曜日に合わせることになってるんだ」
「へえ、それは大変ね。一人でやってるの?」
「もちろん星奈ちゃんに手伝ってもらってる。あと向こうで巧(たくみ)が一緒にやってくれてる」
重盛巧は祐樹の1つ下の後輩。希実のチームで一緒に働いていた。頭の回転が速く、気も利く、優秀なシステムエンジニアだ。
「羽鳥さん、重盛くんを付けてくれたんだ。だったらやりやすいね」
「そうなんだ。ありがたいよ。早く会社を立ち上げたいからね。とりあえず5000万は借りた状態だから」
「そうね……ねえ、できてるところ、見せてもらってもいい?」
「いいよ。そこにプリントアウトしてある」
希実はA4の紙の束を手に取った。
「なるほど、クラウドにするんだ……」
紙をめくりながら呟いた。
「うん。ソフトを売るんじゃなくてサービスを売ろうっていうのが羽鳥さんのアイデアなんだ。コンサル事業にするんだって」
「ふーん。だったらいっそのことデータの一部を抜き出してAIを使って地域毎の需要予測と戦略を出せるようにできると面白いんじゃないかな。うまく行けば自治体も顧客にできる」
「そうかもしれないけど、予測を出すまでにつくり込むのは結構難しいと思うよ。時間がかかりそう」
「そうかも知れないけど、ここのところをサブシーケンスにしてつくり込めるようにしておけば時間差でリリースできる。なんとかなるかも知れないわよ。こういうの重盛くん得意だから言って見るといいわ」
「わかった。ちょっと待って。今チャットするから」
直ぐに重盛から返事が来た。
「それ面白いですね、やりましょう、だって」
「そうでしょ、そうでしょ。そうこなくちゃ」
満足そうに笑みを浮かべて希実は頷いた。
希実が宿泊客のチェックアウトをすべて終えて様子を見に行くと、祐樹は星奈と並んでパソコンの前に座り、パチパチとキーボードを叩いていた。
「何を作ってるの?」
希実は、祐樹の背中越しに画面を見ながら尋ねた。
「事業計画書だよ」キーボードを叩きながら祐樹は答えた。「今のシステムをペースにつくる新しいシステムの基本仕様と開発計画のたたき台を僕が作り、営業計画のたたき台を羽鳥さんの方で作って、今週の金曜日に合わせることになってるんだ」
「へえ、それは大変ね。一人でやってるの?」
「もちろん星奈ちゃんに手伝ってもらってる。あと向こうで巧(たくみ)が一緒にやってくれてる」
重盛巧は祐樹の1つ下の後輩。希実のチームで一緒に働いていた。頭の回転が速く、気も利く、優秀なシステムエンジニアだ。
「羽鳥さん、重盛くんを付けてくれたんだ。だったらやりやすいね」
「そうなんだ。ありがたいよ。早く会社を立ち上げたいからね。とりあえず5000万は借りた状態だから」
「そうね……ねえ、できてるところ、見せてもらってもいい?」
「いいよ。そこにプリントアウトしてある」
希実はA4の紙の束を手に取った。
「なるほど、クラウドにするんだ……」
紙をめくりながら呟いた。
「うん。ソフトを売るんじゃなくてサービスを売ろうっていうのが羽鳥さんのアイデアなんだ。コンサル事業にするんだって」
「ふーん。だったらいっそのことデータの一部を抜き出してAIを使って地域毎の需要予測と戦略を出せるようにできると面白いんじゃないかな。うまく行けば自治体も顧客にできる」
「そうかもしれないけど、予測を出すまでにつくり込むのは結構難しいと思うよ。時間がかかりそう」
「そうかも知れないけど、ここのところをサブシーケンスにしてつくり込めるようにしておけば時間差でリリースできる。なんとかなるかも知れないわよ。こういうの重盛くん得意だから言って見るといいわ」
「わかった。ちょっと待って。今チャットするから」
直ぐに重盛から返事が来た。
「それ面白いですね、やりましょう、だって」
「そうでしょ、そうでしょ。そうこなくちゃ」
満足そうに笑みを浮かべて希実は頷いた。