この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
人妻愛人契約
第13章 奪還
「女将さん、すごいですね。一瞬でそんなアイデアが出てくるなんて」
祐樹の隣で星奈が関心してる。
「なんか昔を思い出すなあ。希実さんの下でやってたときのこと」
祐樹がシミジミと言った。
「え、社長って、女将さんの部下だったんですか?」
「そうだよ。話さなかったけ。希実さんは僕の上司。チームリーダーだったんだ。僕より優秀なシステムエンジニアだったんだから」
「へえ、そうだったんだ……」
「優秀だなんて、そんなことないわよ。技術では祐樹のほうが全然上だったわ。わたしは、ちょっとマネジメントをかじったことがあったんで、いいように祭り上げられちゃったのよ」
希実は謙遜した。
「そうかも知れないけど、いいリーダーだったのは間違いない。みんな希実さんの下で働くのはやりやすい、楽しいって言ってたよ」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「だから、お世辞じゃないって……。そうだ。新しい会社をつくるのも手伝ってよ。希実さんが一緒にやってくれれば、羽鳥さんも喜ぶと思うよ。僕だけより安心する」
「羽鳥さんが安心するなんてことはないと思うけど、わたしにできることがあれば、もちろん協力するわ」
希実はニコリと微笑んだ。
「よし。これで決まり。伊東チームの復活だ」
「伊東チーム?」
星奈が怪訝な顔をした。
「そう、希実さんの旧姓が伊東だからね」
「そうなんですか。知りませんでした」星奈はすくっと立ち上がった。「では、改めて。伊東リーダー、よろしくお願いします」芝居気たっぷりに頭を下げた。
「やめてよ。このプロジェクトのリーダーは祐樹なんだから」
希実は笑いながら顔の前で手を振った。それは久しぶりに見る屈託のない笑顔だった。
この笑顔を大切にしたい――。祐樹は心からそう思った。
祐樹の隣で星奈が関心してる。
「なんか昔を思い出すなあ。希実さんの下でやってたときのこと」
祐樹がシミジミと言った。
「え、社長って、女将さんの部下だったんですか?」
「そうだよ。話さなかったけ。希実さんは僕の上司。チームリーダーだったんだ。僕より優秀なシステムエンジニアだったんだから」
「へえ、そうだったんだ……」
「優秀だなんて、そんなことないわよ。技術では祐樹のほうが全然上だったわ。わたしは、ちょっとマネジメントをかじったことがあったんで、いいように祭り上げられちゃったのよ」
希実は謙遜した。
「そうかも知れないけど、いいリーダーだったのは間違いない。みんな希実さんの下で働くのはやりやすい、楽しいって言ってたよ」
「ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」
「だから、お世辞じゃないって……。そうだ。新しい会社をつくるのも手伝ってよ。希実さんが一緒にやってくれれば、羽鳥さんも喜ぶと思うよ。僕だけより安心する」
「羽鳥さんが安心するなんてことはないと思うけど、わたしにできることがあれば、もちろん協力するわ」
希実はニコリと微笑んだ。
「よし。これで決まり。伊東チームの復活だ」
「伊東チーム?」
星奈が怪訝な顔をした。
「そう、希実さんの旧姓が伊東だからね」
「そうなんですか。知りませんでした」星奈はすくっと立ち上がった。「では、改めて。伊東リーダー、よろしくお願いします」芝居気たっぷりに頭を下げた。
「やめてよ。このプロジェクトのリーダーは祐樹なんだから」
希実は笑いながら顔の前で手を振った。それは久しぶりに見る屈託のない笑顔だった。
この笑顔を大切にしたい――。祐樹は心からそう思った。