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人妻愛人契約
第15章 新しい夫婦のかたち
「祐樹さん、希実さんに聞くのは無理だと思います」それまで黙って見ていた沙耶が初めて口を開いた。「ここに来るとき、希実さんは泣きながら、祐樹さんの顔は見たくない、良泉館には帰りたくないって言ってましたから。たぶん今は会ってくれないと思います」
「そんな……。だったら僕はどうやって、希実さんの考えを聞けばいいんだ。こんな大事なこと、一人では勝手に決められない……」
祐樹は頭を抱えた。
そんな祐樹の様子を見て沙耶は口元に薄っすらと笑みを浮かべた。
「そんなに悩むことはありませんよ。旦那さまに聞いてもらえばいいんですから」
「三河屋さんに?」
「そうです。旦那さまが聞いたほうが希実さんの本心を聞けますから、むしろそのほうがいいんです」
「どういうことですか?」
「女ってズルい生き物なんです。夫や恋人から他の人に抱かれたいかって聞かれて、はい、抱かれたいです、なんて答える女はいません。心の中では抱かれたいと思っていても口では嫌って言うんです。そうやって自分に言い訳するんですよ。私は嫌だったのに無理矢理やらされたんだから仕方ないってね。
たぶん希実さんも、祐樹さんから、旦那さまに抱かれたいか、抱かれてもいいかって聞かれたら、嫌って答えると思います。心の底では抱いて欲しくてたまらなくても。
だったら他の人が聞いたほうがいい。本心がわかる。そういうことです」
「なるほど、沙耶の言うとおりかも知れない」
善一は関心したように頷いた。
「そんな……。だったら僕はどうやって、希実さんの考えを聞けばいいんだ。こんな大事なこと、一人では勝手に決められない……」
祐樹は頭を抱えた。
そんな祐樹の様子を見て沙耶は口元に薄っすらと笑みを浮かべた。
「そんなに悩むことはありませんよ。旦那さまに聞いてもらえばいいんですから」
「三河屋さんに?」
「そうです。旦那さまが聞いたほうが希実さんの本心を聞けますから、むしろそのほうがいいんです」
「どういうことですか?」
「女ってズルい生き物なんです。夫や恋人から他の人に抱かれたいかって聞かれて、はい、抱かれたいです、なんて答える女はいません。心の中では抱かれたいと思っていても口では嫌って言うんです。そうやって自分に言い訳するんですよ。私は嫌だったのに無理矢理やらされたんだから仕方ないってね。
たぶん希実さんも、祐樹さんから、旦那さまに抱かれたいか、抱かれてもいいかって聞かれたら、嫌って答えると思います。心の底では抱いて欲しくてたまらなくても。
だったら他の人が聞いたほうがいい。本心がわかる。そういうことです」
「なるほど、沙耶の言うとおりかも知れない」
善一は関心したように頷いた。