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人妻愛人契約
第2章 三河屋
その夜、祐樹が希実を求めると、待っていたかのように希実は祐樹に抱きついてきた。

「いいの?」

「うん」

祐樹は、希実のパジャマを脱がすと、手と口を使って、希実の身体を一箇所ずつ優しく丁寧に愛撫していった。

日頃エアロビとヨガで鍛えているせいか、子どもを産んだにもかかわらず、希実のスタイルは、結婚前とほとんど変わっていなかった。

ウエストはキュッと括れ、張りのある乳房は寝ても崩れることなく盛り上がっている。乳首も若干くすんだものの桜色で、乳輪も小さい。祐樹が口に含むと、「あん」と愛らしい声が漏れた。

股間には、大人の女性ならあるはずの茂みがなかった。若いときコスプレをするために永久脱毛をしたからだ。ふっくらと盛り上がったスベスベの白い丘に筋が一本走っている。祐樹が指を潜らせると、そこはしっとりと濡れていた。

「ん、んんっ……」

希実は、目を閉じたまま、熱い吐息を漏らした。眉間に小さな皺が寄っている。その艶めかしい顔を見ながら、祐樹は、初めて希実と結ばれたときのことを思い出していた。

あれは付き合う前の夏休み、二人で浜松で行われた『世界コスプレフェスティバル』に参加したときのことだった。祐樹は、希実が扮するキャラクターの仲間に扮し、一緒に街を歩いた。

他人のコスプレは何度も見ていたが、自分でコスプレをするのは初めてだった。たくさんのカメラが希実と一緒に自分も撮ってくれる。まるで有名人になったような気分になり、いつになくハイになったのを覚えている。

そして夜、二人は一緒の部屋に泊まった。どこのホテルも一杯で一部屋しか取れなかったからだ。別々にシャワーを浴びて、缶ビールで乾杯して、楽しかった一日の振り返りをして……。

会話が途切れて気まずくなったとき、

「いいよ」

視線を逸らし、頬を赤く染めて、希実が言った。

「いいってなに?」

祐樹が聞くと、

「バカ、それ以上、言わせないでよ」

希実は、抱きついてきて唇を重ねた。
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